外国製最新滅菌器による院内感染予防
欧米の院内感染予防ガイドラインとは
院内感染の発生を防止するためには、その予防策を講じ、発生した感染を拡大させないことが基本原則となります。そのためには感染症の原因となる病原微生物の特徴を理解し対処することが重要です。
米国疾病管理予防センター (CDC; Centers for Disease Control and Prevention)が2003年に提唱した歯科臨床における院内感染予防ガイドライン」は、 院内感染に関し、懸念される個人の健康及び安全にどのように対処するかに関して各種勧告を一本化したものとして世界中に評価され用いられています。
山内歯科室では、上記ガイドラインに準拠したスタンダード・プリコーション(標準的予防措置)*1という血液などにより拡散する病原体から、患者様や医療従事者を保護するために設定された予防基準、という考え方を取り入れ院内感染予防対策に取り組んでいます。
*1 スタンダード・プリコーション(標準的予防措置)は
- 血液
- 血液の混入如何に関わらずあらゆる体液、排泄物、分泌物 (汗を除く)
- 傷のある皮膚
- 粘膜との接触
に適用される。
治療器具の滅菌法について
上記ガイドラインでは、治療器具の取り扱いについて、その危険度に応じてに下記のように区分し、その取り扱いについて明確に示されており、山内歯科室でもこの方法を遵守しています。
定義 | 歯科器具または品目 | 滅菌方法*2 | |
---|---|---|---|
危険 | 軟組織への侵入、骨への接触、血流または他の正常な無菌組織への侵入または接触 | 外科用器具、歯周外科用スケーラー、外科用メス刃、外科用切削バー | 滅菌 |
準危険 | 粘膜または傷のある皮膚への接触。軟組織へは侵入しない、骨への接触もない、血流または他の正常な無菌組織への侵入または接触もない | デンタルミラー、アマルガム・コンデンサー、反復使用可能印象用トレイ、歯科用ハンドピース *1 | 滅菌または高レベル消毒 |
非危険 | 傷のない皮膚との接触 | X 線写真ヘッド/コーン、血圧測定器カフ、フェースボウ、パルスオキシメータ | 洗浄及び消毒 |
*1 歯科用ハンドピースは、準危険品目と見なされるが、次の使用までの間に加熱滅菌を常に行い、高レベル消毒はしない
*2 滅菌方法に関しては歯科臨床における院内感染予防ガイドライン2003年を元にメディウィル改変
欧米標準の滅菌器「Bサイクルオートクレーブ」を導入
より危険度の高い治療器具の滅菌については、国内では、蒸気を送り込むことにより高圧高温状態を作り出す重力置換オートクレーブが主流となっています。
しかし、同じオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)でも、従来型の重力置換オートクレーブよりも、Bサイクルオートクレーブの方が真空状態を作り出すことにより確実に滅菌を行うことができるとされており(次章参照)国際的にはBサイクルオートクレーブが標準的に導入されつつあります。
山内歯科室では国内導入率わずか1%*¹にとどまっている世界標準のBサイクルオートクレーブを導入することでより患者様に安心した医療を提供しています。
*¹出所:月刊デンタルパワー2006年11月号のクラスB滅菌器の普及状況に関する公立医療機関のデータ及び医療機器販売代理店のヒアリングを元に作成
重力置換オートクレーブとBサイクルオートクレーブの比較
同ガイドラインでは、従来型の重力置換オートクレーブとBサイクルオートクレーブを比較し、真空状態を作り出すBサイクルオートクレーブ(滅菌器)の方が、全ての器具類の隅から隅まで適正な蒸気をより速くより多く浸透させることができると指摘しています。
重力置換オートクレーブ | Bサイクルオートクレーブ | |
---|---|---|
仕組み |
|
|
懸念事項 |
|
|
注目点 |
|
|
製品例 |
山内歯科室導入のゲティンゲ製品 |
出所:歯科臨床における院内感染予防ガイドライン2003年よりメディウィル改変